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クリス・ブラウン、タイニー・テンパー、フライング・ロータス、ジャスト・ブレイズ、バトルス、ザ・ウィークエンドという多種多様なアーティストから愛される存在はそう他にはいない。しかしそれこそ、ハドソン・モホークのネオンチックでポスト・モダンなR&Bサウンドが持つ魅力に他ならない。このグラスゴー出身の若きプロデューサーは、ここ数年でさらにその評価を高めている。EP作品『Polyfolk Dance』とアルバム作品『Butter』は、幅広いクラバーの心をつかんだだけでなく、影響力を持つ批評家たちからも称賛された。その中の一つ、ガーディアン紙はハドソン・モホークを「新たなJディラ」と大絶賛し、マーク・ロンソンやジェイミーXXらとともに最も注目されるべき新世代のプロデューサーとして挙げている。
2009年の『Butter』で、サイボトロンからアウトキャスト、アリーヤ、さらにはプリンスまで、幅広い影響を反映させた唯一無二のサウンドで、ハドモーことハドソン・モホークは、UKで最もビッグな新人アーティストとして各方面から注目を集めた。今回新たに届けられたEP『Satin Panthers』では、この若きプロデューサー独特の幅広いサウンドが、初期のレイヴを彷彿とさせる強烈なエネルギーに乗せて届けられている。コンテンポラリーなアメリカのR&BとUKの本格派レイヴの要素の融合を、かつてここまで見事に昇華させたアーティストがいただろうか?目まぐるしく展開するインパクト大のメロディが特徴的な「All Your Love」と「Thunder Bay」は、クラブで夜通し遊んで迎えた、陶酔感に満ちた朝を連想させ、一曲目の「Octan」は、“もしジャン・ミッシェル・ジャールがダフト・パンクのスタジオで誤ってキメてしまったらこんなサウンドだろう”と感じさせる。今回の最重要トラックである「Thunder Bay」は、サイケデリックなマーチングバンド的リディムを高揚感溢れるサウス・スタイルのヒップホップ・ビートに乗せ、超強烈なシンセ・ブレイクダウンから、後半の怒濤の展開へとつなげる。
「Cbat」は、ケリスやクリプスを手がけた全盛期のネプチューンズのプロダクションまでを彷彿とさせるが、タイニー・テンパーが次回作でこのトラックにライムを乗せたいと飛びついたのにも納得だ。ハドモーの新たなトラックに興奮を表しているのはタイニー・テンパーだけではない。ジャスト・ブレイズはツイッターで絶賛コメントをつぶやき、リル・ウェイン、ニッキー・ミナージュ、そしてリル・ウェイン主宰の<Young Money>クルーからも注目を集めている。自身の作品に加え、最近ではB.o.B、クリスタル・クリアー、ジェイミー・ウーンらのリミックスを手がけ、スーパー・プロデューサーへの道も凄まじい速度で駆け上がっている。これらすべての活動は、現在制作中で、2012年にリリースが予定されている2ndアルバムで頂点を迎えるだろう。
2011年現在、キラー・トラック満載のこの『Satin Panthers』ほどのレベルに到達したアーティストはそうそう見かけない。さらに磨きがかかったセンス。各方面で高まり続ける期待感。ハドソン・モホークが向かう先は、とにかく明るく光り輝いている。