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STEREOCITI Interview
ベルリン発<Mojuba>からリリースされたデビュー・アルバム「Kawasaki」で世界中でディープ・モダンハウス~ビートダウン~テクノと幅広い層に支持をされた東京発Stereociti初のMIX CD
「Never Trust A DJ」リリースを記念してお話を伺いました。




Q: 今は無き伝説ともいえるクラブ<マニアックラブ>がキャリアのスタートと のことですが、 DJを始めた経緯と当時の状況を教えて下さい。

STEREOCITI (以下S): DJ のキャリアのスタートはManiac loveではありません。横浜で仕事をしていた時にその界隈でDJを始めました。Maniac loveでDJをさせていただける事になった経緯は、その頃から通っていたTechniqueのスタッフと仲良くさせてもらっていて、デモテープを渡したのがきっかけです。


Q: ベルリンの人気レーベル<Mojuba>からリリースになったきっかけは?

S: どういう経緯だったかは忘れてしまったのですが、その頃Mike Huckabyから彼がデトロイトでOn AirしているラジオでDJ Mixをかけたいというオファーをもらって、それを聴 いたDeep Exploler MusicのDubbymannからリリースの話をもらったんです。

その後、それをきっかけに当時自分の気に入ったレーベルにデモを度々送っていたのですが、いくつかオファーをもらった中の一つがMojubaでした。直感で「ここだ」と思いましたね(笑)



Q: DJ MIXというのはStereocitiさんのMIXプログラムということですか?最終的には<Mojuba>だったようですが、他に自身で送ったレーベルってどの辺りだったのでしょうか?

S: MikeがFBで見つけて来たアーティストのmixを、オンエア時間内でいくつか流すという番組をやっていたのですが、その番組に2度目にmixを提供する時は、特別に僕のmixだけをオンエア時間内いっぱいで流してくれたんです。 アーカイブはsoundcloudにアップしてあります。


At Mike huckaby show 30.march.2009 (Detroit/CJAM 99.1 FM) by stereociti



Q: レーベル専属アーティストという日本では珍しいスタイルをとっている理由はなんですか?メリットは?

S: 僕とMojubaの専属契約という形は信頼関係で成り立っているもので、書面上の契約をかわしたわけではありません。契約の内容もすべて口約束ですよ。僕はMojubaのアーティストである事に誇りをもっているし、Thomas (Don Williams / Mojubaのレーベルオーナー)も僕をファミリーとしてとても親身に考えてくれています。大きなメリットとしてはそういうった人間関係が築けている事で、他のレーベルだったらそうはいかなかったかもしれません。Thomasとは人間的にとても相性がいいんです。

あとはオリジネイターと呼ばれるアーティスト達のように、ほぼ決まったレーベルからリリースしている事でアーティストのカラーが付きやすい事と、リリース数を押さえる事で曲ごとにきちんとソウルを込めて仕上げられるので、ゴミを増やさずに済むという事ですかね(笑)

最近のアーティストはリリースペースが早い分、急激に知名度が上がってギグも増えると思うのですが、その分飽きられるのも早いような気がします。僕は地味でも末永くいい曲をリリースして行きたいので、専属契約という形は僕には合っているんです。



Q: 海外レーベルとの契約が“口約束”というのは驚きです。一昔前だったら“海外とのやりとり=騙されるかも”みたいな心配もありましたもんね。<Mojuba>はベルリンを拠点としていると思いますが、規模はどれくらいのレーベルなんですか?

S: 騙されるかもという不安が出てくるような、相手が見えない所とは元々取引するつもりはありませんでした。 MojubaはThomasのHome Studioを拠点とする小さいレーベルです。スタンプやシルクスクリーンなどのジャケットのデザイン作業もすべてそこで行われています。出荷前は部屋は段ボールで溢れていたりします。Hard Waxに卸すのも直接持っていきますし、個人で顧客のメーリングリストを管理して直接スペシャル盤の通販をしたり、ぜんぶThomas自身がひとりでやっています。


Q: 制作スタイルを使用機材含めて教えて下さい。

S: Pro toolsを使用しています。アナログ機材が大好きですが、ハードは今はそんなに持っていません。コンプとマイク・プリは自分の気に入ったものをアウトボードでひとつずつですが持っていて、自分の音のエッセンスになっていると思います。あとはテープエコーとLexiconのPCM-80がお気に入りで大事にしています。

制作スタイル・・・気に入るまでこねくり回す(笑)スタイルです。



Q: ヴァイナルDJにこだわる理由はなんですか?

S: よく言われるんですが、別段ヴァイナルでのDJにこだわっているわけではありません。ただレコードが好きなのと、慣れている事、それだけです。

もちろんCDJも使いますし、USBで音源を軽快に持ち歩くのも興味あります(笑)。

もちろんヴァイナルの音が好きですが、CDやデータの音が嫌いな訳ではありません。だた、それらを混ぜてDJすると音質の差が激しいので、ちょっと難しい所でもあります。買うのはレコードなのでリッピングするのも面倒ですし。なので国内はレコードにちょっとだけCDというスタイルで今はやっています。

ただ昔の音源をプレイする場合はヴァイナルでのプレイにこだわりたいですね。そこは意地みたいなものです(笑)



Q: 海外と日本国内でのパーティーの違いはなんでしょうか?

S: DJ やってて思ったのは、ヨーロッパのオーディエンスは、ぐわっと上げてやるよりも淡々と踊れる感じが好きな気がしますね。じわっと長いスパンで流れをつけていくと、オーディエンスもいい感じでずっとついて来ます。なのでプレイの時間が長い場合が多いですよね。日本の1.5hとかめちゃくちゃ短く感じますね。せめて3hはないとそういう流れは付けにくいと思うので、国内のDJもそういったプレイ時間にあわせたプレイをする人が多いんだと思います。


Q: 昨年リリースされた「KAWASAKI」について。制作におけることから、いままでJUNOチャート1位になったこと、リリース後の変化等はありますか?ヴァイナルでのリリースにこだわった理由も教えて下さい。

S: アルバムに入っている楽曲は、作りためていた曲が殆どです。アルバムを意識して作ったのは数曲で、それらでうまく流れをまとめていった感じですね。

リリース後に特に変化した事はないですが、予想以上にいろんな方が聴いてくださっていたり、いい評判をいただいたりしたのはうれしかったですね。 ヴァイナルのリリースにこだわるのはその形態でのリリースが「Kawasaki」については僕の中で最良だったからです。

でももし、Dance Musicじゃないアルバムを作ったとしたら、CDだけのリリースでもいいかもしれません。用途によりけりですね。ただデータのみのリリースというのは今は考えていません。



Q: レコードをリリースする環境について、日本と海外の違いがあれば知りたいです。

S: 日本のディストリビューターがちゃんと全世界へ流通するコネクションを持っていれば問題ないと思います。いま僕の周りでは、日本のアーティスト/プレスで海外流通させるコネクションを築いて実行しようとしている動きがあります。日本から世界へ発信するのはとても楽しみですし、ぜひ実現させたいですね。


Q: 音楽制作、DJの未来像。

S: 各国のでっかいフェスやパーティで数千人を踊らすDJしたい/(笑)というのは半分冗談ですが、やっぱり世界中をDJで訪れたいです。

世界中のオーディエンスをダンスさせたいし、音楽でカンバセーションしたいですね。

海外で感じるのは、音ありきだと通じ合うのがほんとに早いんですよ。言葉より心から先に通じ合う事ができる場合が多い。そういう時に自分の音を持っててよかったなと思いますし、これからもそういう音を作っていきたいと思っています。



Q: 今後の予定。

S: MIX CDのリリース・ツアーを企画中です。できるだけたくさんまわりたいです。各地のブッカーさんよろしくお願いいたします(笑)

あとはできれば今年もヨーロッパにDJに出たいですね。リリースは、次のMojubaからのepがもうじき準備整います。




Interview text by Yuka Noguchi (Manhattan Records)



Never Trust A Dj V.A. Mixed By Stereociti
Never Trust A Dj
V.A. Mixed By Stereociti
Ultra Vybe / OTLCD1755 / ¥2,199 (TAX IN)

ベルリン発<Mojuba>からリリースされたデビュー・アルバム「Kawasaki」で世界中でディープ・モダンハウス~ビートダウン~テクノと幅広い層に支持をされた東京発Stereociti発のMIX CDが登場!自身が所属している<Mojuba>やその傘下の<A.R.T.LESS><ANDERING><MOJUBA G.O.D>等の音源を中心に、自身の新作も織り込んでStereocitiワールドを惜しみなく展開!世界レベルの舞台にて活躍する実力が詰まった素晴らしい世界観!! 初回限定で貰える特典は、彼のルーツでもあるレゲエ~ファンク~ソウルを織り交ぜた本編とは異なる世界観!

STEREOCiTI (Mojuba)
STEREOCiTI (Mojuba)
https://www.myspace.com/stereociti


伝説のclub、maniac loveにて毎週土曜日に開催されていたパーティ「cycle」にてhouse DJとしてのキャリアをスタート。08年にスペインのDeep Explorer MusicよりリリースされたEP『Citifunk EP』、Scott FergusonやBaazらとのカップリングEP『Up to the surface』をリリース。2009年にはベルリンのMojubaとの専属契約にサイン、EP『early light』が発売され、LawrenceやDaniel Bellをはじめ多くのDJがプレイ、ドイツの音楽誌「debug」のチャートで2位にランクインした。また同年10月にはBerlinのpanorama barで行われている「Mojuba Nacht」に召還されプレイしている。2010年7月には同レーベルより2nd EP『cosmo ride ep』をドロップ、独GROOVE誌チャートTop50入りを果たす。2011年6月にはファースト・アルバム『Kawasaki』がリリースされ、Junoアルバムチャートで1位になるなど世界中で高い評価を得ている。同月には再度Berghainの召還を受け渡独、スウェーデンではAniara Recordsのパーティに召還された。また国内アルバム・リリース・ツアーも好評を博した。数々のリミックス・ワークの他、Mojubaからのnew EPがリリース準備中。