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ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview

2012年8月31日(金) / 9月1日(土) / 9月2日(日)の3日間、長野県長和町長門牧場にて行われた“MOVEMENT”「ONENESS CAMP 2012」。“縄文”をテーマに掲げて行われたパーティーは、これまでに行われてきた野外パーティーの常識を超えた興味深いものでした。
<Crosspoint>主宰にして、このパーティーの発起人の一人、、国内からは勿論のこと、Joe Claussell等海外の重要アーティストからも一目置かれる存在であり、社会に起こる様々な矛盾や問題を音楽活動をベースに問題提起し続けるJ.A.K.A.M.(Juzu a.k.a Moochy)にインタヴューを行いました。



Q:今回のパーティーのテーマを“縄文”にした理由を教えてください。

Moochy (以下M):11年前に仲間達と開催したForested Ova“Oneness Camp”という野外Partyも長野でした。

2012年という年に野外でまた開催する事は構想にあったのですが、3月11日以降、国的にも個人的にも動乱が続き、開催を躊躇する部分もあったのですが、新しい仲間の後押しもあり、長野にリサーチに行くと、その11年前に開催した場所が縄文時代の黒曜石を求めた交流場所だった事を知りました。

昨今個人的にも求めていた世界のあるべき姿、そして自分の民族としてのアイデンティティー、レゲエワードで言うザイオンとかぶり、このテーマがまさしく今僕たちに必要だと確信しました。 つまりMOVEMENTSがテーマにしていた『失われた記憶を取り戻す』というものに合致したのです。



ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview

ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview



Q: 開催場所である“長野県長和町長門牧場”は、どんな場所なのでしょうか?

M: 基本はただの牧場です。本州最大と言われる大きな牧場の牧草地で今年は草自体を寝かせるため、使用出来るという事で奇跡的に使わせてもらえました。



ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview

ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview



Q: 野外パーティーは、ある程度拓けた、キャンプ場等で行われる場合も多いようですが、今回の場所は背丈位の草が生い茂るような手つかずの場所だったそうですね?そのような場所を選んだ理由を教えてください。

M: 昨今のグローバリゼーションにより、僕たちが感じるべき“自然の姿”が失われているのは間違いありません。多くのキャンプ場は、まさしく名の通りキャンプする場所であり、個人的な言い方をさせてもらえば、西欧化した場所になっています。(本質的な西欧という意味では無く、産業的という意味で)つまり管理されているのです。

火を焚くな、音を小さくしろ、何時までに終われ、等と経営者、地主に対して、近隣の住民に対して、気兼ねしながらやるのは、今回のテーマには合いませんでした。出来るだけ、その土地が持つ記憶を感じられ、太古に想いを馳せれるところであるべきだったのです。

確かにあまりにも手つかずで、大変ではありましたが、スタッフの熱意はそれを軽く凌駕していたので、無事に、むしろ楽しんでやれたと思います。



ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview



Q: パーティーの“協賛”“後援”“協力”箇所にあった団体とはどのような繋がりなのでしょうか?良く見るパーティーとは異なるテイストだったので。

M:基本は地元に受け入れてもらう、という事は大事にしました。具体的にはある地元のスタジオから3万円の融資を受けただけで、5人のメンバーの自腹で開催しました。 後援、協力等は様々な出会いと昔からの繋がりで成立しています。最後の最後まで様々な人が関わり、参加してくれたのは感謝という言葉以上の言葉を思いつきません。


ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview

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ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview

ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview



Q: この写真は何をしている光景なのでしょうか?

M: これは、諏訪の御柱という儀式です。主催メンバーのJOMONISMの繋がりで、オリンピックにも参加した御柱の木遣りの方達も参加してくれました。こんな事をやってくれるのは異例の事らしいです。

今回参加してくれた人達はみんな喜んでいました。音楽的にもどこかアフリカや中東の様なプリミティブなものを感じました。



Q: 参加アーティストを日本人で固めた理由は?

M: 決して“日本人“という言葉では意識していません。実際に日本に18年も住む友人であり素晴らしい太鼓叩きであるラティールシー等も含め、“この島”に住む住民としては意識しました。

自分の個人的認識としては縄文時代はもっと交流があり、グローバルであり、その場はもしかしたら今よりもコスモポリタン的な思考があったのでは、と夢想しています。

つまり国境という概念がまだ曖昧だったはずで、誰かから守ってもらうという発想では無く、自分たちで自分たちの土地を守る、その上で他民族と交流する事が、自分たちを高める事だと知っていたと思うのです。



ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview

ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview

ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview

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Q: LIVEやDJとは別に、沢山のワークショップがありました。主だったものを説明頂けますか?

M:今回主催メンバーのチームにも入っているJOMONISMという団体を中心に、考古学者やアイヌの楽器の演奏者、アラスカからのシャーマンの参加、ストレッチやダンス、和太鼓、黒曜石を使ったアクセサリーの制作等、子どもからお年寄りまで楽しめるコンテンツが目白押しでした。 Oneness Campのウェブでも閲覧出来ますので是非その雰囲気を観て感じて欲しいです。 “学ぶ“というのも、ひとつの快楽なのではと思います。今の教育制度のせいで、本当の意味での“学ぶ”という行為のアート性が失われているのも、今回のワークショップで取り戻せたのでは無いかと思います。


Q: 今回のパーティーでMOOCHYが得たものとはなんですか?また次回への課題があれば教えてください?

M: 本当に多くのものを得れましたが、特に長野という素晴らしい場所を再確認した事で日本という島の素晴らしさを改めて知ったことが最大の収益です。

昨今の酷い政治家達の方向性に全く賛同出来ず、この国に幻滅しがちですが、改めてこの島の持つパワー、魅力に触れることが出来て、それが生きる希望にもなったと思います。

次回もよりこのテーマを押し進め、掘り下げ、昇華出来たら嬉しいと思います。



ONENESS CAMP2012 MOOCHY Interview



Q: MOOCHY主宰の<Crosspoint>からリリースされるヴァイナルBadume’s Band / OKI Meets Misako Oshiroについてお聞きします。これらの曲を自身のレーベルからりリースすることになったのはなぜですか?彼らとの交流についてもお聞きしたいです。

M: まずエチオピアの音楽は自分にとっては、他の国の音楽よりもより身近に感じていて、愛聴していました。

そこに仲間からもらったこのBadume’s Band のCDが加わり、自分のDJのセットでも良い効果(盛り上がり)が出たのを何回も体験するうちに、これはアナログでリリースするべきなのでは?と思い始め、直接フランスのレーベル経由でBadume’s BandのAntoninと直接メールでやり取りし、日本の誇るべきアーティストであるOKIさんと沖縄の至宝大城さんの夢のコラボレート作品を(OKIさんから直接貰ったので)、裏面にする事を彼に打診したところ快諾してもらい、もの凄くスムースな流れで今回のリリースになりました。

日本の民謡にも通じるエチピアンミュージック+フランス人JAZZバンドと、日本のコアな民謡であるアイヌ音楽と沖縄音楽のコラボレート。まさしく夢の共演だと思います。

大城さんとはまだ面識はありませんが、OKIさんとは自分のソロ作品でも録音させてもらっているので、年末までにはその作品もリリース出来ると思います。



Q: なぜワールドミュージックに惹かれるのですか?

M: まず例えば文章がうまい、センスがいいという人がいます。

その人は完全なオリジナルな文字や、文体でそれを形成してその文章を仕上げている訳では無く、彼/彼女の持つボキャブラリー/知識で組み上げています。

それを思考に置き換えた場合にも、その人の思考はある程度言語によりますし、その発想は確実に過去の記憶から来ています。つまり完璧なオリジナルというものは基本無くて、全て過去からの知識、知恵の継承によって、文化は形成されています。

個人的には“新しい音楽”を求めていますが、それを生み出す為には“古い”出来るだけ“古い”音楽を聴いて、ボキャブラリーを増やすのは、とても有効だと思います。そこには様々なヒントが目白押しだからです。

今のは制作者という立場からですが、単純にリスナーとしても、今の日常から“トリップ“するにはとても有効だと思います。タイムスリップする感覚で。。。違う場所に想いを馳せる事で、今まで気づかなかったり、軽視していた事が、新鮮に感じられるのはとても良いと思います。

具体的に言えば、日本の伝統音楽や祭の文化がいかにユニークか、他の国のそれを知る事によって驚くと思うのです。



Q: クラブミュージック、ストリートカルチャーといったものの東京主導性が、3.11以降変わってきているとは良く耳にする話です。この点についてのMOOCHYのご意見お聞かせ下さい。

M: 2001年9月11日以降から、僕たちの間ではキャピタリズムは終焉しています。3月11日はそれのダメ押しだったと思います。

未だに解決もしない原発の状況や、津波で被害を受け、忘れ去られようとしている東北の住民の事を考えた時、自分がやれる事の小ささ、弱さを実感します。

しかし、幸いにも日本各地をDJを通して体験出来た自分としては、どこの土地、それは東京の中でさえある、グローバリゼーションに潰されていく現実を知れました。

つまりどの地域にもそこで葛藤している人達がいて、孤軍奮闘しているのです。

その各地にいる有志達が年に一度でも顔を合わせ、お互いの様々な要素を交換、交流する事で、絶対に有機的なシンジケートが出来ると確信しています。まさしく仲間は全国に、全世界にいるのです。

そこではマイノリティーでも世界を見渡せば、数十万、数百万、数千万、もしかしたら数億の仲間がいると思えば、それは精神的強さにもなります。

私達が提示する“失われた記憶を取り戻す”という運動“MOVEMENTS”はあらゆるところで行われています。

それは確実に増えていて、少しでも現状を良くしていく為に、過去から学ぼうとする人は国籍や人種や性別や職種を選ばず、本当にたくさんの人がいると信じています。

クラブミュージック、ストリートカルチャーというのは言い換えれば、音楽同好会であり、地元文化であるので、上記の意見はそのまま当てはまると思います。




Q: これからやっていきたいこと、考え等教えてください。

M: より自分たちのスタイル、つまりこの場所でしか出来ない事をやり続ける事、そして積極的に他の民族と音楽、文化をシェアする事。

そして新しい“文化“”芸術“を創りだす事。それに尽きます。



Official Web Site
https://www.onenesscamp.org/



Interview text by Yuka Noguchi


WHO’S NEXT? mixed by DJ ISSO
Minjar / Ranku Bushi
Badumes Band / OKI Meets Misako Oshiro
Crosspoint/proceptio / KOKO025 / ¥1,680 (TAX IN)

Juzu a.k.a Moochy主宰<Crosspoint>から最新作が限定ヴァイナルにて登場!
8/31~9/2に長野で行われた縄文をテーマにした野外パーティー『Oneness Camp : Movement』も大好評の内に終了したJuzu a.k.a Moochy主宰<Crosspoint>からの最新作が限定ヴァイナルにて登場!これまでも愛聴してきたというエチオピア音楽の中でも、自身のDJセットに組み込みプレーしていくうちに、その反応を含め、“自身でヴァイナルでリリースしたほうが良いのでは?”という思いにいたったいうBadume’s Bandによるの2011 年作「Ale Gena - Ethiopia」から、“Minjar”“Ketew Abew”の2曲、アイヌ音楽を現代に伝えるOki Dub Ainu BandのOKI氏と沖縄音楽の至宝、大城美佐子氏とのコラボレーション・ユニットであるOki Meets Misako Oshiroによる「北と南」より、“Ranku Bushi”と“Minami To Kita”の2曲、計4曲を収録。それぞれ土地は異なれど、いにしえより伝え継がれる魂を現代の感覚の上に結実させた美しく、力強い音楽がここに!ファンキーかつ、ポップな要素も多分に含み耳馴染みの良いBadume's Band, 言わずもがな、巷を賑わすOKI氏と大城氏のヴォーカル、演奏が混然一体となって聴く者に迫るOki Meets Misako Oshiroともに国境を越えて、人種を超えてソウルを震わせる傑作をカップリング!

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JUZU a.k.a. MOOCHY
JUZU a.k.a. MOOCHY
https://www.nxs.jp/


東京出身。10代からバンドとDJ両方の音楽活動を並行して始め、スケートボードで知り合ったメンバーで結成されたバンドEvil Power Meの楽曲はUSAバスヘッドのレーベルからもリリースされる。DJとしては90年代中期、今や伝説化したパーティーRhythm Freaksのオーガナイズ及びレジデントDJとして一世を風靡し、瞬く間に国内外の巨大なフェスからアンダーグランドなパーティーまで活動が展開される。それと並行してオリジナル音源やボアダムス等のリミックスがメジャー、インディー問わず様々なレーベルからリリースされる。その楽曲や存在そのものが様々な形で国内外に影響を与えた不定型バンドNXSのリーダーとしても活動を展開。その影響から発した電子音楽、インプロビゼーション、民族音楽、そしてあらゆるダンスミュージックを内包したソロの作品群は、日本各地に点在する志高きミュージシャン達のみならず、キューバ、ハワイ、ベトナム、ジャマイカ等世界各地のミュージシャン達とも録音され、新たなWorld Musicの指針として現在も精力的にリリースされている。


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