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DJ ALEX FROM TOKYO & TR  Interview

2007年からスタートしたDJ ALEX & TRによるパーティー「Timewarp」。 パーティーと連動したMIX CD第3弾DJ ALEX FROM TOKYO & TR Presents「Timewarp003」もリリースした二人にお話しを伺いました。


Q: CDのコンセプトについて。太郎くんは、アゲ目な感じでALEXは落ち着いた印象でしたね。

TR (以下T): 今まではALEXがMIXをしてくれていたのですが、今回はALEXと自分が一枚づつといった感じで別々にリリースしようという話をしてました。前回のリリースから約3年のブランクがあったので、どうせなら全く新しい感じでやりたいなって思いがあったんです。これまでと同じような感じでも良かったんですが、単調になるのは避けたかったんですよね。

ALEX FROM TOKYO (以下A): 2枚目のリリースから地方とかにも行くようになったり、太郎(TR)自身のDJの機会が増えたりもしたので、彼自身がMIX CDをリリースするというのは重要だと思ったんだ。2枚組でリリースしようって決まってからコンセプトを考えたんだけど、キーワードになったのはいわゆるダンスフロアミックスというのだけじゃなくて、リスニング的に聞けるようなものもやりたいなって。そこで考えたのが、パーティーの一晩をイメージするってことだったんだよね。夜に入っていく“Into The Night”、その後の時間を“Through The Night”という風に分けたんだけど、お互いどっちがどれをやるかはなんとなく自然に決まったね。

“Throught The Night”に関しては、TIMEWARPで実際にかかってた曲を入れたいっていうのがあったけど、その辺りも盛り込めたと思う。自分が担当した“Into The Night”に関しては、自分の中ではモダンな、新鮮なものを作りたかったんだ。凄いヒットした曲が入ってるってわけじゃないかもしれないけど、自分がいいと思った曲はずっとプレーして、ブレイクさせていくみたいなDJ本来の役割を担ってきたような曲を、自分自身が心から面白いと思えるように、その時々のヒラメキを入れてみたりしてとても楽しかったよ。



Q: コンセプトは?

T: 「パーティーと連動させる」ということです。このCDを聞いたらパーティーの雰囲気が感じられるというものにしたいと思いました。それもあって、ALEXが作ってくれた前々回001、前回002は、いわゆる踊れる感じのパーティーミックスだったんです。作業自体は、発売日から逆算して1カ月位のタイトな作業時間というのを意識しています。

A: その時々の瞬間をパッケージしたいんだよね。勿論“あの曲も入れたかったな”とか、後からいくらでも出てくるんだけど、その時の気持ちをシュリンクしたいってほうが強いよね。

T: パーティーに来てもらった時のDJって時間を経てしまうと変わっていくものじゃないですか?そういったタイムラグはなるべく無くしていきたいっていうがあって。その時に自分たちがいいなって思うものをパーティーと同じくらい近い時間軸でCDにも反映させたいと。


Q: 最初のパーティーって2008年でしたっけ?

T: 2007年のお正月からです。その時はCharles WebsterとまだYellowのときにやりました。前の年の年末からAlexと二人で話して、パーティーとCDのリリースを連動させる感じでスタートしようということになりました。


Q: ゲストを呼んでやっていく感じにしようと思ってたんですか?

T: その時はタイミング良く日本に滞在していたので、たまたまやろうということになりました。


Q: CDのリリースは年に1回ですか?

T: 決めたわけじゃないですがそれくらいが妥当かなと。CDをリリースするときにALEXがいるときのタイミングで新しいパーティーをやりたいって話になって新しい要素をもったものをやろうって。パーティーとパーティーの断片(要素)をパッケージした、形になるものを連動させるパーティーをはじめようって話になりました。


Q: TIMEWARPの名前の由来は?NYと東京という地理的な部分でTIMEWARPなんですか?

A: ちょうど2000年の頭に「FLAVOURS OF SOUND」とういレーベルからコンピレーションを出しているんだけど、その時のアートワークをやってくれたRobby Bearが来日した際、当時原宿にあったStill Sequenceというショップで働いていた太郎に知り合ったんだ。僕は、6年前にNYへ引っ越ししたんだけど、帰国するタイミングで何か日本でやりたいなっていうのが発端だったね。

ネーミング自体にあんまり深い意味はないけど(笑)いろんなアーティストとコラボレーションしたりとかね。実際パーティー中にライブペインティングをやってもらったりとか、そのアーティストがCDのジャケットをデザインしてくれたりとか、幅広いアーティスティック、クリエイティブな空間を作りたかったんだ。



Q: Still Sequenceの話がでましたが、“ファッション”というキーワードでも二人はつながりがあるんじゃないですか?

T: Still Sequenceを通じて、ファッションやデザインに関係する人たちとのつながりができましたね。原宿のSOPH.があるビルの2階にあったお店でファッション・音楽や様々なアートなどを取り扱かっていたので、色々な人や情報の行き来が頻繁でした。

A: 今思うと最先端のお店だったからね。CDを売ったりもしていたし。やっぱり凄くひかれたね。ヴァイブスや考え方が自分と近かったし、洋服だけじゃなくて、CDやレコードを売ったりしてて海外っぽい雰囲気があったんだよね。



Q: SOPH.の方でも、Silent Poetsの下田さんがグラッフィックを担当していたり、音楽的な側面も強かったように思いますね。HIP HOPなんかと比べると、ハウスやテクノといった4つ打ち系ってアイコンとなるファッションがあまりなかったように思うのですが、あの頃のあの界隈のスタイルってどことなく音楽とつながっていたように思います。

T: 当時自分が働いていた時、洋服、音楽両方に刺激されました。クラブにいっても音楽、洋服、アート、どれにも精通している人がたくさんいました。

青山にBLUEというクラブがあったのですが、松浦さんや下田さんなんかがDJをやっていて自分たちもラウンジでDJしたりしていて、それで繋がりが出来たりしてましたね。クラブで会った後日お店に洋服を見に来てくれたりとかもしてましたし、自然にリンクしている感じが楽しかった。海外のアーティストも来日すると来てくれたし。「Straight No Chaser」のファッションセレクトを手掛けていたりもしていたので音楽とファッションのつながりは強かったですね。東京ローカルもありつつ、ピンポイントで海外と繋がりがあったりとか面白かったですね。


A: 海外と似た所がありつつも、東京らしさもあったしね。


Q: 東京で起こったことが雑誌なんかで取り上げられて地方に広まっていったころにその辺りで固まっていた人達のまとまりやつながりが弱くなっていったように思うのですが。

T: 前に比べて、さっき“東京ローカル”っていいましたけど、小さなコミュニティーで濃いものって、知らなかったら知らないで終わっちゃうんだけど、そのある一か所でどんどん盛り上がってつながっていくことが少なくなってきたように思いますね。自分たちでやっていくことがDIY的なことが薄くなってきてしまったように思います。もっと全体的に『はじめよう、広げよう』みたいな大きな力というか主流のようなもの、一回やって終わってしまうものが多いように思います。

ローカルじゃなくて、音楽だけではなくてビジネス的なフロウにのっとったことが主流なようにも感じますし。遊びの部分に特化されたもの、粗さがあっても楽しいと思えること、自分たちがコアになっているものを膨らませたりすることが薄くなっているように思います。遊びの部分もビジネスフローがあるというか。TIMEWARPはALEXが東京に帰ってくるタイミングでやろうっていうパーティーで、それ以外の縛りは何もありません。そういう意味では、東京ローカルなんです。最近は地方でやらせてもらったりもしてるけど、そこを含めてライブペインティングでもゲストDJでも自分たちがいいと思うことを出せるパーティーです。またそれが一つのフォームになったらいいかなって思えるのがこのパーティーなんです。

さっきもいいましたが、パーティーでライブペインティングしてもらった人がALEXのTOKYO BLACK STARのジャケットやったりとか、今回のジャケットもパーティーに出てもらったアーティストですし、仕事というよりは遊びの部分で繋がってきたという側面が強いです。楽しいものを“共有できる人達”であり、“膨らませるものの自然な成り行き”とでもいいましょうか?



Q: それはビジネス的にやれって話とは真逆ですね。“やりたいから”はじめて、そして続いていくっていう。日本ではまだまだ少ないんですかね?

T: もっとあっていいと思うんですよね。可能性もあると思いますし。多分昔に比べて今ネットもあるし、海外の人とも国とか時間とか関係なくコンタクトが簡単に取れたりというチャンスも沢山ある。もっとあっていいはずなのに、考える側で色々制約、制限を作るからどんどん小さくなっちゃう。


Q: NYではALEXがやってるパーティーとかあるんですか?

A: 定期、不定期含めいくつかあるよ。面白いところ、刺激的なところが何か所かある。ここ2年NYCで流行っているStandard Hotelの最上階にあるNYC一の眺めを持つクラブ“le Bain”、SohoのMercer Hotelの地下2階にある隠れクラブ“subMercer”、80年代からのNYC伝説のクラブ・アイコンSusanne Bartscheのドラッグ・クィーン&ゲイー・パーティ、そしてBrooklynのロフト・パーティでもよくプレイしてる。後は、イタリア人の友達が経営をしているイタリアン・レストランMangiamiで毎週の月、水、金で午後7時から、ディナー・タイムから、NYCの友達のDJ達、Eric Duncan、Dj Spun (Rong Music)、Tim Sweeney、Lee Douglas等が交代でプレイしていて、僕もよくプレイしているしね。バー・カウンターにタンテーブルとミキサーを置いて、美味しいワインを飲みながら、おつまみをつまんだりして、友達と常連のお客さんと社交しながら遊んで夜中までプレイするスタイルは、とても面白いミクスチャーがあってとても楽しい。

自分がNYへ移ってからずっとやっているイーストビレッジの“NUBLU”っていうクラブというよりは音楽ヴェニューっていうのかな、クラブでもあるし、バーもあるし、レコードレーベルもやってて、ミュージシャンが出入りしていて、という場所。彼らのインスピレーションっていうのは70年代のTHE LOFTのシーンにあるんだけど、かつてロフトで行われていたジャズ系のバンドがプライベートライブみたいなスタイルで演奏していたことなんかに影響を受けているんだよね。そこは自分が一員になりつつあるから、クラブに行くっていうよりは“NUBLU”っていう彼らの家のリビングルームでDJするって感覚だけどね。毎晩2つのバンドが演奏して、DJはそのバンドの間にやってる感じ。

“NUBLU”をやっているのはトルコ出身で、ずっとNYに住んでいてとても腕の良いミュージシャンでもあるんだ。そういったミュージッシャンに加えて、南米やブラジル、東ヨーロッパとかNY以外から来ている人も多くて、面白いミックスされた人種が集まっている。例えば、Eddie Henderson(エディーアンダーソン)やジャマイカのU-Royとかワールドワイドなファミリーだね。クラブとは違うけど、こういうのってNYならではだと思うよ。90年代とかにロンドンにもあったスタイルっていうのかな。エクレクティックで、最初から最後までがんがんにハウスをかけるような感じでもないし、早い時間にはジャズやダウンテンポをかけたり。雰囲気によっては最後にガンガンにテクノかけたりもするんだけどね。オーガニックな感じでとてもいいよ。

後は、有名だけどCIELOかな。ここは三カ月に一回くらいゲストで呼ばれてやってる。ここはもっとハウスのイメージが強いクラブで、作りもいいし音もいい。DJも凄くやりやすい。CIELOは今年で9年になるんだけど最初のお洒落なイメージよりももっと若い人が気軽に楽しめるような場所になってきてるかな。クオリティーを保ちながらどんどん良くなってきている場所で、NYではなかなか難しいロングセットもここでは出来る。



Q: “NUBLU”でALEXがやっていることと、TIMEWARPが近いイメージですかね?

T: そうですね。僕らの中で良く話しているキーワードというのは“パーティー”なんですね。だから、遊びに行く前からなんとなく予想がつくようなことはしたくないと考えています。毎回企画する側もワクワクするような、予定調和なことをしちゃったら『TIMEWARP』できませんから(笑)。

あと“イベント”のように、「演者側/客側」の一方的な関係ではなくて、そこにいる人みんなが「主役」として楽しめるということです。もともと遊びに来てくれた人の何人もがTIMEWARPのメンバーになったりもしてますし。そしてDJはもちろん、アートでもなんでも“自分たちが良いと思うことや物”を紹介できる自由な場所でもあると思う。音楽だけに限らず、ジャンルの枠や制限をとっぱらったものをシェアすることで新しいものや価値観が生まれますから。それにCDも含まれる訳ですが、そのパーティーに参加してくれているゲストアーティストも含めてみんなが同ラインで、参加してる全員が共有できる場所が『TIMEWARP』なんですよね。



Q: 規模をもっと大きくしたいとかは思わないですか?

T: 大きくしたいっていうよりは、もっと色んな事をやりたいって感じですね。大きくなるとかはその結果というか。スタートしたころはYELLOWの平日、かつB2だけでやってましたし、二か月に一回だったり、YELLOWがクローズした後は場所を変えてMADO LOUNGEでやったり、ボートパーティーも一昨年から始めたりとか。一つのことにこだわるんじゃなくて、そのシーズン、タイミングで面白いものをチョイスして演出したりしてます。


Q: とはいいつつ集客も大切な要素ですよね?

T: そうですね、それはかなりシリアスですね(笑)でも、出来ないことはないと思うんですよ。大切なのは、やりたいことはいかにブラさずに本質的なことに近づけていけるかってことだと思うんです。そのタイミングで出来ないことでも、次だったら出来るんだったら、それを次にとっておいたりとか。質は絶対に落とさない。規模の大きいものでも小さいものでも、打点の高いものをやる。今回地方ツアーに行った際、朝8時くらいまでみんなガンガン踊っていたりっていうのを見てると、規模とかサイズとかの問題じゃなくて遊びにきてくれたお客さんと気持ちがマッチした濃度のほうが大事だなって。そこのレベルは落とさないようにしたいです。


Q: 確かに、規模は関係なく良いパーティーは素晴らしいと思います。一方で規模が小さければ継続するのも大変です。無くなってしまったら本末転倒ですし。

T: 勿論最初から週末にやって、お客さん沢山集めてっていうのも魅力ですが、まずはやりたいことありきで、それに賛同してくる人がちょっとづつ増えてきたからこそ、今は地方に呼んでもらえたりするようになった。始めた当時は自分も力不足で、小さい規模でしかスタートできなかったという要因もあるとは思いますが、良い内容のパーティーをやっていって今に至るんだと思います。



Q: 集客とセットで語られることが多い、ゲストのシステムとかどう思いますか?NYとかどうなんですか?

T: 自分が企画しているパーティーではゲストはほぼなくて、ディスカウントはあるんですが、でもそれもなくしていきたいと思っているんです。音楽を楽しむ、とか何でもいいですが提供されるには等価としてお金がかかりますよね。“タダだったら行く”っていう人は、全員じゃないと思うんですが、音楽の聴き方、入り方が違うと思う。お酒を含めて楽しみ方が違うと思う。“夜遊びの向き合い方”があるし、それは粗末にしちゃいけないと思う。

色んなパーティーの企画がありますが、企画している側、参加するアーティスト、関わる人たちは気合入れて真剣にやっている。そういった人達に対する対価は支払われるべきだと思う。クラブ側がエントランスフィーを回収できれば、アーティストや関係者にペイバック出来るわけですし、オーガナイザーやクラブももっと面白いことができるようになる。今はちょっと悪循環ですよね。目の前のハードルを越えなきゃいけない、とりあえず人を集めなきゃいけないから入りやすくしたり、でもそれに馴れちゃったクラブやシーンってそこから先ハードルを下げることしかできなくなっていく。

これはちょっと寂しく聞こえちゃうかもしれないですけど、パーティーって次の日は忘れちゃうじゃないですか?極論ですけど。人によって、脳裏に焼き付いて忘れられない体験になったり、飲みすぎちゃって何にも覚えてないとか色々あると思いますが、だからこそパーティーに関わる限り、記憶に残すようなことをやりたい。でも、遊びに来ている人の意識が軽いと提供する側がどんなに押しても、押されるがままっていうか。

邪険にするわけではないですが、お客さんにそこまで媚びないというか、それでも来てくれる人がいてこれまで成り立っているのでこれからもそのスタンスで行こうと思ってます。パーティー始まっているのに“今から(ゲストで)入れる?”みたいな電話があったりすることもありますが、それじゃ居酒屋と一緒じゃないですか?遊ぶ側だって楽しくないと思うですよね。


A: プライドをもって僕らもやっているからね。

基本的にNYCのクラブやパーティーの入場料は日本と比べて安くて、気楽に遊びに行けるシステム。入場料が安い分、ドリンクが高かったりもするけどね。もちろん色々なタイプのクラブやパーティがあるし、イベントとなるとまたシステムも変わってくるけどそれは世界中どこも一緒だよ。

NYでは、ゲストはすごく限定的。それと、居酒屋に行く感覚で顔出しみたいには、クラブやクラブ・パーティには行かない気がするね。本当に遊びに、踊りに、音楽を聴きに行きたい人達がルールを分かって遊んでるって感じかな。




Q: お金払って入ったら、“何が何でも楽しもう”って思いますもんね(笑)

T: 確かにそうですね。あと、ファッションのことになりますが、女の子だったら“お洒落していこう”とか遊ぶためのお洒落っていうのでしょうか、かっこつけたりとか楽しみにいったりっていう意識って大切だと思うんです。だから、ゲストで入って“●●の顔見ていこう”位な感じってもったいないと思うんですよね。別に仕事じゃないし。ちょっと顔だして、挨拶していこう、みたいなのは昼間やればいいし。

お酒は楽しい人と飲みたいし、いい音楽聴きたいし。自分はあんまり人とクラブにいかないんです。面倒くさいから(笑)フロアにずっといたりすると“なんでバーのほうに顔を出さないんだよ”とか言われたりしますけど、“ゆっくり聴かせてくれよ”って思っちゃいますね。そういうスタンスだからこそ、ゲストで入って挨拶してみたいなのは“もったいない”って思ってしまいます。

「オシャレなパーティーにゲストで入れる人」より、「パーティーに来てる遊び方を知っているオシャレな人」の方がカッコいいじゃないですか?ファッションだけでなく、それを含めたライフスタイルがカッコいいのが、本当のお洒落だと。あと、ここまで言うのには自分たちにとっての自戒でもあるのですが、「ハードルを上げ直したい」という気持ちの中に「しっかりエンターテイメントしたものを提供したい」と強く思っています。当たり前の事ですが、そうじゃないと一緒に楽しんでもらう人たちに失礼ですからね。




Q: そういう人って、一般的には少ないかもしれないですね。

A: そうだね、自分たちの周りにはいるかもしれないけど普通はあまりいないかもしれないね。クラブ側もローカルなDJやオーガナイザーをあまりサポートしてくれないところもあるし、利用しているだけだったり。そういうところはあるかもね。

音楽が好きな人って沢山いると思うんだけど、なかなかクラブまでたどり着けなかったりっていう状況はあるかもしれない。クラブ側もお客さんだけを引っ張ろうとして嘘をついてる部分もあるし。そういうこともあってなかなか前みたいに繋がらないのかもしれない。僕らに関しては、自分たちがやりたいことをやって周囲の人や興味のある人に来てもらって遊んで欲しいし、音をエンジョイしてほしい。



Q: 音楽が凄く好きなのですが、クラブ常連とかじゃない、加えて人見知りと言う子がいるんです。勿論ゲストなんてお願い出来ないので、ちゃんとお金払ってクラブに行くのですが、一旦中に入ると身内で固まってて凄く居心地が悪いって。最近はすっかりDommune派になってしまいましたが。。つまるところ、ゲストで入ってくる人の影響で、こういったちゃんと音を聞きたいという人がクラブに来なくなっているというのもあるかもしれないですね。

A: 遊び始めた頃のクラブってフリーな感じだったよね。DJやミュージシャンだけじゃなくて、色んな人が来ていたよね。本当に特別な場所だったからさ。TIMEWARPでは、そういった頃に出会ったような本当に面白いと思える人を呼びたいっていうのもあるし、クラブはそういう場所だと思ってるし、そういうクラブが好きだしね。

結局、色んな意味で自分の人生はクラブにあるって言っても過言じゃないからね(笑)自分にとって本当に重要な場所、今こうして音楽で生計を立てていられる事は本当にラッキーで素晴らしいことだと思うからさ。やっぱりそういった気持ちを若い世代にも伝えたいなって思う。

だからこそ、そういった場所を作ってコミュニケートして、厳しい世の中からエスケープしてできるだけ自分のやりたいこと、自分の夢から力を貰ってみんなで協力しあってやっていきたいよね。そういう場所があるといいよね。ただ、遊んで騒ぐだけがクラブじゃない。人生が変わるような瞬間が絶対にあるはずだからね。もっと本質的なディープな部分からコミュニティーが生まれて今や世界中に広がっているわけだから。ネットワークになっているし、勿論ビジネスとしても確立されているし。これって素晴らしいことだよね。



Q: あと“このクラブだから行きたい”っていうよりも“●●っていうDJがやるから行きたい”みたいな感じになってますよね?

T: そうですね。ライブアーティストを見に行くっていう感じになってるので、“このパーティーに行きたい”“ここのクラブに行きたい”っていうのがないように思いますね。

TIMEWARPがやりたいことってそこじゃないんですよね。パーティートータルで楽しいっていうのが理想です。昔は別に無名のDJも来ていたし、そのパーティーで初めて知って凄くファンになったりとか。Theo Parrishだって今は凄いビックになったけど10年前は、自分でMIX CDR作って売ったりしてましたしね。TIMEWARPでもそういうことをやりたいんですよね。自分たちがいいと思うDJは、国内外問わず紹介したいし、現にALEXがTIMEWARPを始める前からやってきていることってそれだと思うんですよね。自分がチョイスしたレコードを世界中でプレーして紹介して、そこで出会ったアーティストや良い音楽をまた別の国でプレーする。それって彼の強みでもあり、自分が影響を受けていることでもあるんです。それって純粋な行為だと思うし、それで知ったり影響を受けたりすることって一番残ることだと思うんですよね。肩書きから知ることよりも、中身の部分からの知ったほうが印象に残りやすいじゃないですか?特にレコードをかけている人とか、DJやってる人とかってアーティストなんかを覚えてなくても盤と、針を落とした瞬間に“これいいよね”って。中身で尊重し合ってる部分があるから、そこがクラブミュージックの美しいところだと思います。

地方にいけるようになったのも、営業とかをしていたわけじゃなくて、もともとTIMEWARPに来ていたお客さんが声をかけてくれたんです。“いいな”って思っているものが少しづつですけど広がって行っている実感はありますね。“ビックパーティーをやる”みたいな目標に向かってやっていくというのではなくて、自分がやりたいことがじわじわと広がって行ってることを楽しんでやってます。



Q: あくまでも“自分たちの価値観”を重視しているんですね。

A: パッケージングもそうだし、アーティストを呼んでアートワークやってもらったりとか、面白いと思うこと、僕らなりにフレッシュだと思うことをやっていて、今回のMIX CDもその中の一つ。凄く自由にパーティーもやってきているし、その時感じたこと、その瞬間で選んだ曲で売れるためにMIX CDを作ったわけでもないし。だから、パーティーと同じように好きなようにやってる。別に新しいことだけをやるっていうわけじゃないし、その辺のバランスを気持ちよくなれるように面白いことをやりたいよね。

T: DJ的に“パーティー”を意識したCDにしたかったんですよね。構成も完璧に練って、ミックスもばっちりでというよりも、その時に良いなって思うものを一発録りでとって、すぐプレスしてっていうのがいい。それをするとパーティーの時にDJで選曲している躍動感を盛り込める。勿論アートワークや体裁なんか含め、何度もチェックするわけですが、これを長い時間かけてやると飽きちゃうと思うですよね。自分たちが冷めないままでリリースしたいっていうのがありますね。






ALEX FROM TOKYO & TR CHART!!

ALEX FROM TOKYOがManhattanショップの中からチョイスしたここ最近良くワールドワイドにプレイしているジャンルと時代を超えるお気に入りの楽曲&作品です。2012年を盛り上げて行きましょう!



今後の二人の予定はこちら!

ALEX:www.alexfromtokyo.com

Tokyo Black Starで震災と連動して4月末にNew World Recordsから「Together Ep」の配信リリース、そして5月にNYCのレーベルLet's Play HouseからToby Tobiasの最新曲「choc-ice for 4」のリミックスがアナログと配信でリリース。

2012.03.17 SAT
Discography: Benefit for Japan
@ Cameo Gallery (Brooklyn)
https://cameony.blogspot.com/
DJ:Alex from Tokyo, James Friedman, Bruce Tantun, Marcos Cabral, Dj UG


2012.03.24 SAT
@ Bellwether (Brooklyn)
https://www.bellwetherbrooklyn.com/

NYCのBrooklynにKlpschornのスピーカとMark Levinsonのアンプが入っている新しいレストラン/クラブ・スペースBellwetherで3/24にDj Nature aka Dj Miloとパーティーがスタート。

2012.04.05 THU - 04.24 TUE
JAPAN TOUR

4/5から4/24まで日本ツアーで来日。

2012.04.15 SUN
Gallery @ Cay (Tokyo)
https://www.spiral.co.jp/f_guide/cay/
4/15 CayでGallery

5月はヨーロッパ・ツアーを予定。


TR:www.synthesize-inc.com

2012.03.30 FRI
LOST&FOUND @ UCESS THE LOUNGE
https://www.ucess.jp/
DJ:Toshiyuki Goto, Kojiro, Bav, TR
LIVE PAINTING:CODE;C


2012.4.27 FRI
MOON'S A BALLOON @ ENSOF TOKYO
https://en-sof.jp/
DJ:Max Essa, TR


Interviewer : Yuka Noguchi (Manhattan Records)
Photo : Ena Yanai (Manhattan Records)




ALEX FROM TOKYO (TOKYO BLACK STAR/INNERVISIONS/WORLFAMOUS NYC)
ALEX FROM TOKYO
(TOKYO BLACK STAR/INNERVISIONS/WORLFAMOUS NYC)
https://www.alexfromtokyo.com


世界を股にかけるパリ生まれ東京育ち、インターナショナル・エクレックティックDJ、プロデューサー&ワールドフェイマス・コーディネータ。2004年から活動の拠点をNYCへ移し、DJとして東京-NYC-ヨーロッパ各地など世界を飛び回る多忙振り。日本で1998年より続いている渋谷 FMの番組“Tokyo Club Mix ShowCase”やDJ NORI、長谷川賢司、FUKUBAとのサンデー・アフタヌーン・パーティ“GALLERY”では多くの音楽ファンを魅了し続け、今も尚、その人数は増え続けている。2007年の1月から:Synthesizeと組んで東京のSPACE LAB YELLOWで新レジデント・パーティ“TIMEWARP”をスタート。現在までに日本では5枚のミックスCDをリリースし、独自のエクレクティックなスタイルを確立している。一方、熊野功とのユニット“Tokyo Black Star”名義で音楽制作も展開。ベルリンのレーベル“INNERVISIONS”からリリースされている4枚のシングル、1stアルバム『BLACK SHIPS』は国内外で各地で評価されており、世界のトップDJにプレイされているのは言わずもがなである。最近では、ファッション・ブランドY3のNYCでのファッション・ショーの音楽コーディネーション、同じくY3の世界全店舗の音楽プロデュース、アート展ART BASELのDJや、LOUIS VUITTONのウェブサイト用の最新コレクションアニメーションの音楽等も手掛けている。バイタリティ溢れる彼から発信される今後の活動に注目と期待が集まっている。


TR (:SYNTHESIZE)
TR
(:SYNTHESIZE)
https://www.synthesize-inc.com


:Synthesize<シンセサイズ>主宰。都内や各地各クラブで様々なパーティーを手がけ、ハウス-テクノ-ディスコを中心にジャンルレス・エイジレスに展開されるプレイスタイルは独特のグルーブを造り出す。クラブミュージックの固定概念に捉われず自由な価値観を発信している。5年目となる主催パーティ“TIMEWARP”は、現在は西麻布elevenを中心に全国各所にて開催。他にも、原宿UCでのレギュラーパーティ“Lost&Found”や、長野県松本市SABBATでのレジデントパーティ“DAYDREAM”では、毎回Open-Lastを一人でDJを担当している。また、ドイツ ハウスレーベルINNERVISOINSのJapan Distributionを務める。


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