2025年5月14日(水)発売予定。予約商品規定をお読み頂きご注文下さいませ。
2017年3月にフリーダウンロードでリリースし、耳の早いリスナーにその名と独創的な音楽性を知らしめたODD Foot Works(リリース時の表記は「踊Foot Works」)の処女作にしてセルフタイトル作の1stミニアルバム『ODD FOOT WORKS』が、待望のアナログレコード化。
結成後すぐに制作に取り掛かり、まだ一度もグループとしてのライブ経験がない状態でリリースされた本作には、間違いなく最初の作品でなければ形象化し得ない、どこまでも底知れぬドープさとポップさに満ちており、本作の音楽像がそのまま初期ODD Foot Worksのアイデンティティとなっていった。リリース当初よりリスナーから「レコードで欲しい」という声が上がっており、また現在もストリーミングで高い人気を誇る本作が、8年の時を経てLPとなりターンテーブルからどのような響きを放つのか。ぜひ体感してほしい。
とても信頼している友人の音楽家がレコメンドしてくれたのが、最初の出会いだった。「素性はよくわからないんだけど、踊Foot Worksというグループがフリーダウンロードでリリースした音源がとてもいいから聴いてほしい」と。それが3月12日のこと。早速その1stミニアルバム『ODD FOOT WORKS』(ODD FUTUREを連想させるこのタイトルもニヤリとする)をチェックしたら、これが本当に素晴らしかった。メンバーは、Pecori(ラップ)、Tondenhey(ギター)、fanamo'(コーラス)の3人。彼らは2016年春ごろにfanamo'が働いていた音楽スタジオで知り合い、飲み会やセッションを経て同年9月に結成したという。D.A.N.などにも通じるコンテンポラリーなムードと浮遊感に富んだミニマルメロウなビート、そしてグッドメロディに惹きつけられるM1「終着駅」。 ラップは“PSG以降”の気分をたっぷり吸い込んだ、リラックスしていながらどこかドープ、そして極めてキャッチーなフロウが光る。そこから、後半で劇的に変調。パーカッションのビートが差し込まれ、都市の匂いをまとった異邦人の民族音楽とでも言いたくなるサウンドスケープが浮かび上がる。 一転して、M2「Tokyo Invader」はまるでRIP SLYMEやケツメイシのような陽性のポップネスをナチュラルに開放し、憂いを帯びたアウトロのギターソロはそこはかとなくAOR然としている。MVも公開されているM5「夜の学校 feat. もののあわい」は、七尾旅人 × やけのはら「Rollin’ Rollin’」の系譜などに連なるような、市井でもダンスフロアでもヘッドホンのなかでもエバーグリーンなまま息づく名曲としての趣がある。 彼らは結成以来、本作の制作に集中していたためライブは未経験だという。ということをTwitterのDMを通じてメンバーから聞き、すぐに筆者主催のイベントに出演オファーした。その開催日は今号の発売日である5月3日、会場は下北沢GARAGE。もし間に合えばぜひ遊びに来てください。伝説の証人になるかもしれない、踊Foot Worksの初ライブです。 ※マネージャーの三宅正一が彼らと対面する前の2017年5月に執筆した『ODD FOOT WORKS』のレビュー文より。