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BentheAce Production 過去のクラシック音源7インチリリースの第3弾
1996年の暮れ、アンダーグラウンド・ヒップホップ最盛期のニューヨークで制作/レコーディングされたこの曲は、当時のスタンスを確立するまでに至る歴史の綴られた「分厚い本」を読み進めていく設定で、ページをめくる毎に展開していく、ストーリーテラーとしてのスキルがドス黒く輝くライムは、当時のMURO の『MCとしての定義』の表明であり、ムロの自伝的なサクセス・ストーリーである。第一段落の87年から第三段落の97年に至る10年間、ヒップホップに出会って夢中になり、誰にも相手にされない屈辱的な経験も経て、12"を1万枚以上売り上げるまでに至った、日本のヒップホップのパイオニア世代が体験した黎明期からのジャパニーズ・ヒップホップ・ヒストリーでもある。