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J. Coleが自身の原点に迫ったサードアルバム。
ジェイ・Zのレーベル“ロック・ネイション”が契約した第1弾アーティストであり、デビュー・アルバム『Cole World: The Sideline Stories』(2011年)、続く『Born Sinner』(2013年)共に全米1位を獲得し油が乗ってきたJ.コール、リリースが待ち望まれた3rdアルバムがこちら。前作リリース時には、尊敬するカニエ・ウェストの新作発売に合わせるため、発売日を1週前倒して真っ向勝負を挑んだという逸話も。(アルバムは初登場で僅差3万枚でカニエに次ぐ2位だったもの、3週目にして1位の座を奪うという快挙を達成)。自身のツアーや大規模フェスにも引っ張りだこの最中、制作されたのが本作である。内容はJ.コール自身の少年時代をテーマに制作されており、アルバム・タイトル『2014 ForestHills Drive』は、彼が少年時代に過ごしたノースカロライナの町、フェイエットビルにあった家の住所で(この家を彼はその年に買い戻している)、このアルバムが2014年にリリースされるのはまさに偶然だった。成長、夢や名声を追いかけた日々、そして名声よりも大事なものに気付く過程、家族、友達、故郷に帰れるようになった今・・・といった様々な想いが繰り広げられる。リリシストとして高い評価を得て、現在は自身のレーベルDreamvilleを立ち上げてレーベルアーティストの育成に励むなど、シーンの中心選手となった彼の生い立ちに触れるこちができるアルバムだ。